Freni e Frizioni’s 新メニュー

もし、バーで隣に座っている人がカクテルだったら?
まさにそれが、Freni e Frizioniの最新カクテルメニュー「バー・ステレオタイプ」のコンセプトです。斬新なコンセプトに基づいたメニュー作りで知られるこのバーは、今回もまた、新鮮で独創的なメニューを生み出しました。
今回のメニューの主役は、定番カクテルや珍しいスピリッツではありません。それは、どこのバーでも見かけるような、ありふれた人々です。

何か新しいものを試したいと言い張るものの、結局ダイキリを注文してしまう人。
最近パロマにハマって、もう他のカクテルは飲まなくなった常連客。
マティーニしか注文する価値がないと本気で信じているマティーニマニア。
バー好きなら一度は見かけたことのある人たちが、そのままカクテルになっています。
思わず「いるいる!」と笑ってしまうようなキャラクターばかりで、メニューを開いた瞬間から自然と頬が緩みます。バーテンダーたちが日々カウンター越しに見てきた人たちを、ちょっと皮肉を込めて切り取った人物図鑑をみているようです。


このコンセプトにさらに魅力を加えているのが、Freni e Frizioniの長年のクリエイティブパートナーであるCultivarによるイラストです。
それぞれのキャラクターは、いたずら好きで少しパンクな雰囲気の犬として描かれています。風変わりで、完璧ではなく、個性にあふれています。まさにバーのビジュアルアイデンティティにぴったりです。
こだわりはそれだけではありません。チームは本物の犬を起用した写真撮影を行い、イラストのキャラクターたちを現実世界に登場させました。このメニューにどれだけの工夫が凝らされているかが、細部にまでこだわったことがよく分かります。

すべてのドリンクに物語がある
今回のメニュー、名前だけでも十分楽しいのですが、レシピを見るとさらに面白い。
キャラクターの個性が、香りや素材、味わいにまで落とし込まれていて、「なるほど、この人ならこういう味になるのか」と納得してしまいます。
NERD
バーの世界に少し遅れてハマったのに、気づけばクラシックカクテルについて誰よりも語り始めるカクテルオタク。そんなキャラクターをイメージした一杯。
ベースはサンタ・テレサ1796とレブロン・カシャッサ。ブルーベリーやキャラメルに、ソイミルクとコンデンスミルクを使ったミルクパンチ仕立てという、聞いただけで惹かれる構成。
実際に飲んでみると、驚くほどなめらか。
ミルクパンチらしいクリアな口当たりの中に、ブルーベリーのフルーティーさとキャラメルの甘い香りが重なり、最後にラム由来の奥行きがじんわり残ります。
甘さを感じさせながらも決して重たくなく、ついもう一口飲みたくなる完成度の高い一杯。
(この日一番のお気に入りはコレ)
「クラシックしか飲まない」と語るNERDが、実はこんなモダンなミルクパンチになっているというギャップまで含めて、遊び心を感じます。


MARTINI FANATIC
名前の通り、「マティーニ以外は眼中にない」という人のためのカクテル。
説明文にも「Martini or nothing.(マティーニ以外はいらない。)」と書かれていて、この時点でもう笑ってしまいます。
ジンにはTanqueray No. TENを使用、Mancinoのドライとアンブラート・ヴェルモットを合わせたダーティーマティーニ。
しかも、オリーブかレモンツイストかではなく「Both(両方)」という潔さも最高です。
実際に飲むと、期待通りキリッとしたドライな飲み口で、ジンの柑橘感と旨味がしっかり感じられる王道の美味しさ。
ペッパーのニュアンスがアクセントになり、飲み進めるほどに表情が変わっていきます。
今回は、Dryでいただきましたが、Wetも選べるので、同じコンセプトでも違った表情を楽しめるのも面白いところ。
マティーニ好きなら、この一杯だけでも訪れる価値があります。


THE JOURNALIST
「食事は後回し。バーのために取材し、仕事だからとネグローニを飲む。でも実は本気で楽しんでいる。」
……これ、バーの記事を書いている人間としては、思わず笑ってしまいました。
ココナッツウォーターとトロピカルティーでネグローニをベースにしたこのカクテルは、定番の味を意外なほど明るく夏らしい味わいに昇華させています。
「仕事中」と言いながら、実はちょっと羽目を外しすぎている人たちに向けた、実に皮肉の効いたジョークです。


LAST MAN STANDING
アペリティーボにやってきて、他の客がみんな帰った後も、なぜかバーに居座っている客。
説明によると、彼は何度断られても「もう一杯だけ」と注文し続ける男でもあるそうです。
ジャックダニエルズ・ボンデッド・ライ、ディプロマティコ、ベネディクティン、そしてその他の大胆な材料を使ったヴュー・カレ風のカクテルで、アルコール度数25.5%の力強い味わいです。
そのキャラクターのように、堂々とした強さと、骨太で飲みごたえのある一杯です。
こういう人物像まで味に落とし込んでいるところが、本当に見事です。


THE TOURIST
「ピザ、パスタ、そしてスプリッツ。」
どの街にも必ずいる、イタリア旅行中ずっとスプリッツを飲んで過ごす旅行者たち。
サンジェルマン、ラズベリー、プロセッコ、レモンシャーベット、ハードセルツァーで作られたスプリッツは、爽やかで軽やか、暑いローマの昼下がりにぴったり。
観光客を揶揄しているようにも見えるが、地元の人々も喜んで注文するようなカクテルです。


気の利いたアイデア以上のもの
こういうコンセプト重視のメニューは、ともすると「アイデア勝負」で終わってしまうことがあります。
でもFreni e Frizioni は違います。
遊び心たっぷりの世界観を作りながら、一杯一杯の完成度が高く、最後は「美味しい」という満足感で締めてくれる。だから毎回、新しいメニューが発表されるたびに期待してしまうのです。
この「バー・ステレオタイプ」が楽しめるのは8月末まで。
ローマを初めて訪れる方も、Freni e Frizioniの常連の方も、ぜひ一度体験していただきたいメニューです。最初のドリンクを注文する頃には、きっとどのステレオタイプが自分に一番当てはまるか、もう考えていることでしょう。

Freni e Frizioni



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