ローマ ウイスキー フェスティバル 2025

3月1日と2日、ローマ・ウイスキー・フェスティバルがサローネ・デッレ・フォンターネで開催され、第13回目を迎えました。ウイスキー愛好家、業界関係者、バーテンダーにとって、この毎年恒例のイベントはまさに祝祭のような存在です。
今年のフェスティバルも活気に満ち、世界中から200以上のブランドが集まり、1,000種類以上のウイスキーが提供される中、4,300人を超える来場者が訪れました。







マスタークラス - ウイスキーの深淵を解き明かす
このイベントが特別なのは、単なるウイスキーの試飲にとどまらず、その奥深さを学び、体験できる点です。初心者向けの「ABCウイスキーコース」には2日間で130名が参加し、ウイスキーの基礎知識をしっかりと学ぶ機会となりました。一方、業界のプロフェッショナルやウイスキーの生産者による16のマスタークラスでは、ウイスキーの製造プロセス、テイスティング技術、熟成方法など、専門的な内容が深く掘り下げられました。


フェスティバルでは、魅力的なマスタークラスが多数開催されました。
その中でも特に注目されたセッションについては、別の記事でも詳しく取り上げています。
・ヘイルウッド アーティザナル スピリッツ
・ジャパニーズ ウイスキー 明石 & 山桜
・倉吉蒸留所 – 鳥取のジャパニーズウイスキーを発見
・ニッカ ウィスキー - 日本のウイスキーの過去と現在
・スティーブン・ビーム。 1 つの蒸留所、7 世代、150 周年
→スティーブン・ビーム。 1 つの蒸留所、7 世代、150 周年
・ロス&スクイブ蒸留所: ライ麦の巨匠たち
・ジェームソン エモーショナル テイスティング
・ヘブンヒル - アメリカ最大の独立系蒸留所
・ウイスキーピンテール - スウィート カスク フィニッシュの本場
・ダンカン テイラー - 独立系ボトラーとその熟練樽職人の技
・Nc’Nean - ルールではなく自然によって作られた
・グレンフィディック - 象徴となったウイスキー
ウイスキーカクテル ー 新たな楽しみ方
ウイスキーの奥深さを学ぶだけでなく、その多彩な楽しみ方を体験できるのもフェスティバルの魅力のひとつです。Oro Whisky Barのブースでは、熟練のバーテンダーによるウイスキーを使ったカクテルが振る舞われ、参加者はウイスキーの新たな一面を楽しむことができました。


フェスティバルの中でも特に注目を集めたのが、Daniele GentiliがORGANICS by Red Bullと共に主催したウイスキーカクテルコンペティションです。
この大会には、Aleph Rome Hotelのロレンツォ・ポリターノ率いるチームと、ストリートバーとして知られるStädlinのチームが参加。それぞれ異なるバーカルチャーを体現する2チームが、カクテル対決で真っ向勝負を繰り広げました。Gentiliはまるでボクシングのレフェリーのように両者を紹介し、会場の熱気をさらに高めました。

ヴィンテージウイスキーエリア – コレクターの楽園
今年特に話題を集めたのがヴィンテージウイスキーエリアです。ここでは、希少価値が高く、コレクター垂涎のボトルが多数展示されました。ウイスキー愛好家や長年のコレクターたちは、この特別な一杯を存分に堪能しました。
さらに、ウイスキー以外の熟成スピリッツに特化したブラウンスピリッツセクションも年々人気が高まっており、今年も多くの注目を集めました。

Whisky & Lode Awards 2025 – 最高のウイスキーを称える
フェスティバルの中でも特に注目を集めたのが、Whisky & Lode Awardsです。この賞は、年間を通じて最も優れたウイスキーを称えるもので、審査はブラインドテイスティングによって行われ、純粋な品質と味わいのみが評価の基準となりました。
今年の受賞ウイスキーは以下の通りです。
- スコッチウイスキー部門:「Caol Ila 2011 Berry Bros. & Rudd 11YO」
- ワールドウイスキー部門:イタリア産「Erètico 7YO」
- カスクストレングス部門:「Wolfburn Cask Strength」
受賞したウイスキーはいずれも卓越した品質を誇り、会場ではその味わいに多くの賞賛が寄せられました。
ベスト・スコッチウイスキー受賞リスト
今年のスコッチウイスキー部門では、以下の3本が選ばれました。
- Caol Ila 2011 (Berry Bros. & Rudd) – 11年熟成、シングルカスク、54.6% (Pallini Spa)
- Benrinnes 11YO (The Whisky Cellar) – ポイヤック赤ワインフィニッシュ、56.2% (Spirits & Colori Srl)
- Meikle Tòir 5YO (The Chinquapin One) – ピーテッド・スペイサイド、48% (Lost Dram Selection Srl)
それぞれ異なる個性を持ちながらも、卓越した味わいで審査員を魅了しました。

ベスト・ワールドウイスキー受賞リスト
今年のワールドウイスキー部門では、以下の3本が選ばれました。
- Erètico 7YO – イタリアン・シングルモルト(グラッパ&ゲヴュルツトラミネールカスク)、47% (L. Psenner Srl)
- Goalong Single Malt Whisky – チャイニーズ・シングルカスク(STRワインカスク)、56% (D&C Spa)
- Erètico 7YO – イタリアン・シングルモルト(グラッパ&アマローネカスク)、47% (L. Psenner Srl)
イタリアと中国からの革新的なシングルモルトが選ばれ、世界各国のウイスキーの多様性とクオリティの高さを改めて示しました。

ベスト・カスクストレングスウイスキー受賞リスト
今年のカスクストレングス部門では、以下の3本が選ばれました。
- Wolfburn Cask Strength – シングルモルト(シェリー&バーボンカスク)、56.9% (Spirits & Colori Srl)
- Teeling Blackpitts – ピーテッド・アイリッシュウイスキー、56.5% (Rinaldi 1957 Spa)
- Kilchoman Batch Strength – アイラ・シングルモルト、57% (Fine Spirits Srl)
力強い味わいと個性的な熟成プロセスが評価され、ウイスキー愛好家から高い注目を集めました。

拡大するウイスキー市場
フェスティバルの創設者であるアンドレア・フォフィ氏は、進化し続けるウイスキー市場について次のように語りました。
「ウイスキー市場は間違いなく拡大しています。熱心なウイスキーファンの数が増えているだけでなく、これまでウイスキーを飲んだことのない新しい層も次々とウイスキーの世界に足を踏み入れています。」
今年のフェスティバルでは、ウイスキーを初心者にも身近なものにすることに力を入れ、その結果、新しい層の参加者が増加しました。
また、イベント期間中には400杯以上のウイスキーカクテルが提供され、ウイスキーの楽しみ方が「ストレート」や「オン・ザ・ロック」だけにとどまらないことを証明しました。カクテルバーエリアは終始賑わいを見せ、ウイスキーの新たな可能性を引き出す革新的なミクソロジーが披露されました。
情熱に支えられた祭典
ローマ・ウイスキーフェスティバルの成功は、イベント主催者やスタッフの献身的な努力なしには実現しませんでした。創設者のアンドレア・フォフィ氏は、イベントの運営を支えたラウラ・タンクレーディ氏に特別な感謝を述べています。
年々進化を続けるローマ・ウイスキーフェスティバルは、新たな体験と驚きを提供し続けています。
2026年にはどんな展開が待っているのでしょうか?
今から待ちきれません!
ひとつ確かなのは、ウイスキーを愛するすべての人にとって、このフェスティバルは絶対に見逃せないイベントだということです。







ローマ ウィスキー フェスティバル
