飲みたい味からつくる

Hoxtonに詰め込まれたバーテンダーの発想
September 22, 2026
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Spirits
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6
MIN
Megumi Ueda

バーテンダーにとって、Hoxtonはどんなブランドなのだろう。

スピリッツの世界では、マーケティングが華やかであるほど、液体の実力を疑われることがある。

著名な名前、目を引くボトル、カラフルなフレーバー、インスタグラムに映るパーティーの写真。一般の消費者へ広く届くためには、どれも強力な武器である。

一方で、酒を専門に扱うバーテンダーの目には、「中身よりイメージを売るブランドではないか」「プロが使うための酒ではないのではないか」と映るかもしれない。

そうした印象から、「バーの現場で本格的に使うというより、一般の消費者に向けたブランドなのだろう。」そんな第一印象を持つバーテンダーがいても不思議ではない。

しかし、Hoxtonについて話を聞いていくと、その先入観は見事に裏切られる。実際のものづくりを支えているのは、華やかなマーケティングとは対照的なほど、実践的でバーテンダー目線の発想だからだ。

Hoxton Banana Rum

こだわっているのに語らない

多くのスピリッツブランドは、原料の産地や製造工程、創業者の思いを語る。何を使い、どれほど時間をかけ、ほかの商品と何が違うのか。それを伝えることで、商品の価値を理解してもらおうとする。それは、ものづくりを伝えるうえで、ごく自然な方法だ。

しかし、Hoxtonは語らない。

Hoxtonの背後にも、創業者の思いや素材へのこだわり、説明しようと思えば語るべきことはいくらでもある。これほど手間をかけて商品をつくりながら、それを説明しないというのは、どういうことなのだろうか。かわりに見せているのは、音楽や人、カクテルに囲まれたパーティーの風景だ。

Hoxtonの創業者ゲリーカラブレーゼはこう話す。

「ボトルの中身について、科学的にいくらでも細かく説明できます。でも、それがブランドの本質ではないんです。人は商品を売り込まれたくないと思っています。しかし楽しい時間の中でドリンクを飲み、その記憶が残れば、いつか自分から商品を手に取ってくれるかもしれない。」

この言葉を聞いたとき、なんだか聞き覚えがあるように感じた。

どこで聞いたのだろう。少し考えて、思い当たった。これまでイタリアでバーテンダーを取材するなかで、何度も耳にしてきた言葉とよく似ていたのだ。

カクテルについて尋ねると、彼らはこう話す。

「聞かれれば、どのようにつくったかを説明します。でも、まずは難しく考えず、その時間を楽しんでほしいんです」

一杯のカクテルが完成するまでには、表からは見えない膨大な仕事がある。いくつもの素材を仕込み、ときには発酵や蒸留を行い、何日もかけて準備する。それでもバーテンダーは、そのすべてをゲストに理解してもらおうとはしない。

知識がなくても、気負わずに飲めること。目の前の一杯と、その場で過ごす時間を楽しめること。つくり手が費やした手間を、飲む側にまで背負わせない。それもまた、バーテンダーが考えるホスピタリティのひとつなのだ。

ゲリーの話を聞きながら、私はHoxtonの考え方が、バーテンダーのそれとよく似ていることに気づいた。

ただ、これは一杯のカクテルについて語られた言葉ではない。ブランドが、自分たちの商品をどのように人へ届けるかという話だ。スピリッツブランドからこのような考えを聞いたのは初めてだった。

ゲリー・カラブレーゼがカウンターで見てきたもの

Hoxtonの考え方がバーテンダーのそれと似ているのは、偶然ではない。

創業者のゲリー・カラブレーゼ自身が、長年にわたってカウンターに立ってきたバーテンダーだからだ。

「カクテル・マエストロ」として知られるサルヴァトーレ・カラブレーゼを父に持ち、自身も20年以上にわたり、ロンドンのバーやホテル、レストラン、ナイトクラブで経験を重ねてきた。

Hoxtonの製品づくりの出発点にあるのは、市場調査や一時的なトレンドではなくバーテンダーとして、お客さんの反応を見続けてきた経験なのだ。

「何年もの間、お客さんが何を注文し、何に心を動かされ、反対に何が棚に残るのかを見てきました。そこで気づいたのは、消費者がほかとは違う記憶に残る本物の味わいを求めているということでした」

新しいアイデアが次々と生まれる一方、常に高い水準を求められる場所でもある。

「ロンドンは、世界でも屈指の刺激的で、同時に厳しいバーシーンです。お客さんは店を訪れるたびに、創造性や質の高さ、記憶に残る体験を期待しています。だから、常に進化し続けなければなりません」

2008年、ゲリーはイースト・ロンドンに自身のバー、The Hoxton Ponyをオープンした。そこには、イギリスでも最大級といえるほど多彩なジンが揃っていた。

ところが、それほど多くの商品を扱っていても、ゲリーには市場にまだ埋められていない余白があるように見えた。

「若く冒険心のある飲み手に響くプレミアムスピリッツが、まだ不足していると感じました。それがHoxtonの着想につながりました」

Gerry Calabrese (Photo courtesy of Hoxton) 

カテゴリーではなくフレーバーから考える

スピリッツブランドと聞けば、ジン、ウイスキー、ラムといったカテゴリーを思い浮かべる人が多いだろう。

商品開発でも、通常はまず「ジンをつくる」「ラムをつくる」とカテゴリーを定め、その枠組みの中で味わいを組み立てていく。

ところが、Hoxtonの順序はその逆だ。

最初に考えるのは、どのカテゴリーの商品をつくるかではなく、どのような味わいを生み出したいか。そして、その味を最もよく表現できるスピリッツを後から選んでいく。

商品開発について、ゲリーはこう話す。

「まず味わいから考えます。『もう一つジンが必要だ』と考えて開発を始めることはありません。人々がすぐには思いつかないけれど、合わせてみると見事に調和する組み合わせを考えます」

ただし、意外な素材を組み合わせることだけが目的ではない。着想を得た後は、それぞれのフレーバーが一杯の中で自然に結びつくまで、時間をかけてバランスを整えていく。

「変わったものをつくること自体が目的ではありません。すべてのフレーバーには明確な意図が必要です。ストレートでも、ミキサーで割っても、カクテルにしても、心からおいしいと思ってもらえるものでなければなりません」

意外性がありながら、ひとつの味わいとしてきちんと成立していること。ストレートでも、シンプルなロングドリンクでも、バーテンダーが手を加えたカクテルでも、商品の個性が失われないこと。その基準を満たすまで、原料の組み合わせや抽出方法を調整していく。

Hoxtonにとって、フレーバーは完成したスピリッツに後から加える装飾ではない。カテゴリーよりも先にあり、原料や製法、さらには飲み方までを決めていく、商品開発そのものの出発点なのである。

生のバナナを5日、乾燥バナナを5週間

バナナ・ラムの開発では、長い間、生のバナナを使った試作を繰り返してきた。自然な甘みや香りは得られたものの、口に含んだときに広がるバナナの味がどうしても足りなかった。

開発を諦めかけていた頃、ハックニー・ウィックで開かれたホームパーティーへ向かう途中、ゲリーは店でバナナチップスを見つけた。それをラムと一緒にパーティーへ持ち込み、その場で浸漬を試したという。

「見た目はひどい黄色い液体になりました。でも、それまで出せなかったバナナの味が出せたのです」

この発見から、生のバナナを5日間、乾燥バナナを5週間浸漬し、それぞれから得た液体を50対50でブレンドする現在の製法が生まれた。

「フレーバーは本物の原料から生まれるべきだ、というのが私の一貫した考えです。より多くの時間と手間がかかりますが、その違いは実際に味わえば伝わると信じています」

バナナチップとの出会いは偶然だった。しかし、本物の素材から味を引き出そうとする考え方は、このときに始まったものではない。

ゲリーが2008年にオープンしたThe Hoxton Ponyでは、当時から季節の素材を前面に出したカクテルメニューを展開していた。4月には、メニューに掲載されたカクテルの約90%にルバーブを使うこともあったという。今でこそ季節性を掲げるバーは珍しくないが、当時、それをここまで徹底するのは簡単ではなかった。

「旬の本物の原料を使うことは、ずっと私のドリンク哲学の中心にありました。Hoxtonは、その考え方から自然に生まれたものです」

Banana Sand

一つ加えるだけでカクテルになる

品質には妥協しない。それでも、飲む人に知識や技術を求めすぎない。それがHoxtonのスタイルだ。

「私の商品は、ミクソロジストでなくてもおいしくできます。一つの材料を加えるだけで、カクテルのような味になる。最終的な飲み方から考えることは、スピリッツブランドをつくるうえで、独自のアプローチだと思います。難しく考えるのではなく、純粋に楽しんでもらいたいんです。」

Hoxtonのボトルには、あらかじめ明確なフレーバーと味わいのバランスが組み込まれている。そのため、家庭ではトニックやソーダを加えるだけで、カクテルのような一杯をつくることができる。

一方、バーテンダーにとっては、それが完成形ではない。ボトルに備わった個性を出発点に、さらに味わいを広げていく余地も残されている。

つまり手軽に楽しむことも、複雑なカクテルへ発展させることもできる。どちらが正しいという決まりはない。

「トロピカル・ジンをコーラやスプライトで割って、それがおいしいと思うなら、そうすればいい。私たちが飲み方を指図するつもりはありません。」

ここまで自由だと言われると、かえってゲリー自身なら、それぞれのボトルをどう楽しむのか知りたくなる。そこで、家庭でも試せるおすすめの飲み方を聞いてみた。

トロピカル・ジンには、たっぷりの氷とトニック、そしてグレープフルーツを添える。ただしゲリーは、「クラシックなジントニックを求める伝統派には、おそらく向いていません」と笑う。従来のG&Tとは異なる、Hoxtonらしい個性を楽しむための一杯だ。

ドライ・ジンには、氷とクリームソーダ、レモンを一切れ。「グラスの中で楽しむ、アルコール入りのノスタルジー」とゲリーは表現する。

ピンク・ジンは、ソーダとレモンを合わせたピンクレモネードに。アマルフィ海岸の「レモンの小径」から着想を得たサーブである。

バナナ・ラムならバナナ・ラム・ダイキリ。スパイス・ウィスキーなら、そのスパイスがカクテルに奥行きを加えるスパイス・ウィスキー・サワー。そしてロンドン・スプリッツは、その名のとおりロンドン・スプリッツに。

飲み方にルールはない。必要なのは、正解を探すことではなく、自分がおいしいと思う組み合わせを楽しむことなのだ。

ゲリーは、現在の若い消費者が、特定の酒類カテゴリーに強くこだわらなくなっていると考えている。ジンかウイスキーかではなく、そのときにどのような味を飲みたいか。それが選択の基準になりつつあるという。彼はこの傾向をカテゴリーにこだわらないという意味の「カテゴリーアグノスティック」と表現する。

Hoxtonがカテゴリーではなくフレーバーを起点に商品をつくるのも、こうした飲み方の変化に応えるためだ。

「私は、最後に飲む人を意識して、ボトルの中身を考えています。液体だけを切り離して見るのではなく、お客さんが体験する一連の流れと、それが自宅やバーでどう使われるのかを、開発の最初から考えるのです」

では、Hoxtonをバーの現場で使うと、どのような一杯が生まれるのだろう。

今回カクテルをつくってくれたのは、バーテンダーをはじめ、カクテルをよく知る人たちにも支持されるLonely Avenueのリカルド・ポンペイ氏。

400種類を超えるクラシックカクテルの知識をもとに、メニューを置かず、会話から一人ひとりに合った一杯をつくるバーテンダーだ。

Hoxtonの個性的なフレーバーをクラシックカクテルの構造にどう落とし込むのか、その発想と技術を見せてもらった。

Riccardo Pompei - Lonely Avenue
Sharp Flowers

Sharp Flowers(シャープ・フラワーズ)

Hoxton Pink Gin 45ml
St-Germain 20ml
レモンジュース 20ml

2011年に誕生したモダンクラシック「フレンチ・ブロンド」を、鮮やかで華やかに再解釈。エルダーフラワーとピンクジンの繊細な甘みに、キレのある爽やかな柑橘の余韻が美しいコントラストを生み出します。

最初に作ってもらったのは、Hoxton Pink Ginをベースにしたカクテル。ローズやカモミール、エルダーフラワーの香りがまるで花束のように順番に立ち上がる。かといって、フローラルが強すぎるわけではなく、青々しい渋味とほのかなスモーキーさ、柔らかな甘い香りが、レモンの酸味を丸く感じさせ、複数のボタニカルを一つにまとめている。表面を覆う柔らかな泡が口当たりをクリーミーにし、シャンパンを使っているわけではないのに、フレンチ75を思わせる華やかさと高揚感がある。フローラルカクテルを普段選ばない人の先入観さえ覆してしまいそうで、Hoxton Pink Ginの個性を余すことなく引き出している。

Sherrynez

Sherrynez(シェリーネス)

Hoxton Tropical Gin 45ml
Lustau East India Solera 20ml
Maraschino Drioli 5ml
自家製チェリー

1884年に誕生した歴史的なカクテル「マルティネス」を、トロピカルな個性とシェリーの芳醇な余韻で再解釈。

Hoxton Tropical Ginをベースにしたカクテル。シェリーの古い木を思わせる少し枯れたニュアンスや旨味と、かすかな塩味がトロピカルジンのココナッツをより深く、落ち着いた味わいへ導いている。ココナッツが前面に飛び出すのではなく、シェリーの熟成香に包まれながら、ゆっくりと現れてくるような味わい。熟した果実とナッツの風味にもう一段階の複雑さを加えるようにマラスキーノのドライで癖のある香りを奥に忍ばせ、甘いカクテルとして終わらせない輪郭を作っている。

Tropinez

Tropinez(トロピネス)

Hoxton Tropical Gin 45ml
Cocchi Vermouth 20ml
Maraschino 5ml
自家製チェリー

1884年に誕生したクラシックカクテル「マルティネス」を、トロピカルな個性とともに再構築。エキゾチックなボタニカルと歴史あるイタリアン・ベルモットに、自家製チェリーシロップの豊かな風味を調和させた一杯。

マルティネスは「マンハッタンのウイスキーをジンに替えたもの」と言おうか、甘く、芳醇で、マンハッタンに近い厚みがあるクラシック。普通ココナッツと聞けば、ピニャ・コラーダやティキのような南国系を想像するし、そこへ行けば、おいしくなることはある程度想像できるが、その分かりやすい方向へ進まず、19世紀のクラシックな構造にココナッツを入れてきた点が面白い。ほのかなマラスキーノのドライ感が、全体をクラシックカクテルの側へ引き戻す。ココナッツが活躍できる新しいカテゴリーを一つ増やしたという感じ。Hoxtonが掲げる「新しい味を試してみたい人へ」という考え方を、説得力のある形で見せている。

The Green Cloud

The Green Cloud(ザ・グリーン・クラウド)

Hoxton Dry Gin 30ml
クレーム・ド・カカオ 15ml
アブサン 15ml
クリーム 15ml
すりおろしたナツメグ

1952年にカリフォルニアで誕生した「ゴールデン・キャデラック」を、大胆にアレンジ。ボタニカルジンと芳香豊かなアブサンを、カカオとクリームのなめらかな風味で包み込み、仕上げにナツメグを削りかけた一杯。

出発点にあるのは初期のジン・アレキサンダー? しかし、そこにアブサンを加えることで、グラスホッパーのような緑のハーブとクリームを思わせながら、どちらとも異なるニュアンスに仕上げている。発想の起点となっているのが、Hoxton Dry Ginの中に含まれているタラゴン。タラゴンは、青々しい爽やかさの中にアニスやリコリスを思わせる甘くほろ苦い香りを持つハーブ。その香りをアブサンのアニスやニガヨモギが引き出し、クリームのまろやかさの中に、幾層ものハーバルな風味を広げていく。Hoxton Dry Ginの個性から逆算して生まれた、甘くまろやかでありながら青々しく爽やかな、大人のための新しいデザートカクテル。

Banana Sand

Banana Sand(バナナ・サンド)

Hoxton Banana Rum 30ml
Cocchi Vermouth 22.5ml
Drioli Maraschino 10ml
オレンジジュース 15ml
レモンジュース 15ml
マラスキーノチェリーシロップ 10ml

1922年に誕生した「ブラッド・アンド・サンド」を、トロピカルに再解釈。エキゾチックなバナナラムと明るく爽やかなフレッシュシトラスを、芳醇なイタリアン・ベルモットと濃厚なマラスキーノチェリーが美しく調和させています。

スイート・ヴェルモットの甘苦さと複雑なスパイス香によって、バナナ・ラムの魅力をより引き出している。熟したバナナの甘く濃厚な香りに、ビターオレンジやカカオ、ナツメグ、焦がした砂糖を思わせる甘苦く芳醇な風味が重なる。そこにニガヨモギやキナ、ルバーブの苦味、木や樹脂を思わせるバルサミックな香りが奥行きを出す。少量のマラスキーノを全体の輪郭を引き締める隠し味のように使っているのが巧みだ。

Yellow Bird

Yellow Bird(イエロー・バード)

Hoxton Banana Rum 45ml
Amaro Montenegro 15ml
パイナップルジュース 45ml
ライムジュース 15ml
シュガーシロップ 10ml

1973年に誕生した「ジャングル・バード」を、明るく黄金色に輝く一杯へとアレンジ。エキゾチックなバナナラムとフレッシュなパイナップルを、イタリアン・アマーロの穏やかで植物由来の苦味がバランスよく引き締めます。

数あるラムカクテルのなかから、Hoxton バナナラムを生かす土台としてJungle Birdを選び、さらにカンパリをモンテネグロに置き換えていること。モンテネグロの苦味はカンパリに比べて穏やかで、甘いオレンジやハーブ、シナモン、クローブ、バニラ、キャラメルなどの香りが、バナナラムとパイナップルの熟した果実味に溶け込むようにその魅力を広げている。そこへ加わるライムのキリッとした青々しい酸味が、濃厚さを切り、引き締めることで見事なバランスが生まれている。Jungle Birdの構造を借りながら、バナナラムのおいしさをもう一段引き上げる非常にセンスのよいツイスト。

Spicy Tie

Spicy Tie(スパイシー・タイ)

Hoxton Spiced Whisky 40ml
Amaretto Adriatico 20ml
レモンジュース 30ml
卵白 20ml
レモンピールを飾る

クラシックカクテル「ウイスキー・サワー」を、温かみのあるなめらかな味わいにアレンジ。力強いスパイス感を持つウイスキーとフレッシュレモンの鮮やかな酸味を、アマレット・アドリアティコの芳醇なローストアーモンドの風味がやわらかく包み込みます。

ウイスキーサワーのツイストだが、このカクテルの面白さは、Hoxton Spiced Whiskyの個性を生かすために、甘味をシュガーシロップではなく、アマレットに担わせていること。Spiced Whiskyには、オレンジやアニス、レーズン、カカオ、シナモン、ナツメグ、バニラなど、果実とスパイスの風味が幾層にも感じられる。アマレットを合わせることで、必要な甘味を補いながら、ローストアーモンドの香ばしさ、温かなスパイスと自然につながり、もともと複雑なウイスキーの味わいに、さらに奥行きと立体感が生まれる。Hoxton Spiced Whiskyだからこそ成立する組み合わせへと仕上げられている非常に完成度の高い一杯。

どれも美味しかった。Hoxtonカクテルをまだまだ試してみたい。

ココナッツが香るトロピカル・ジン、上品な花の香りを持つピンク・ジン、そしてバナナ・ラムでつくる新しいジャングルバード。

私自身、バーでは気に入ったものを繰り返し頼むことが多い。しかしHoxtonのカクテルは、そんな私をいつもの好みから少し外へ連れ出してくれた。

新しく好きな味を見つけていく、その時間がとても楽しく、気づけば普段より少し飲みすぎていた。

思いがけない味との出会いを楽しみながら、ゲリーのこの言葉を思い出す。

「素晴らしいドリンクは、楽しく、親しみやすく、人と人をつなぐものであるべきです。人々が楽しい時間を過ごし、好きになるとは思っていなかった味わいに出会えたなら、私たちの役目は果たせたということです」

Hoxton
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