Freni e Frizioni

20年経っても「今」であり続ける理由
January 14, 2026
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――それは「完璧なバランス」にある。

2005年、トラステヴェレのトリルッサ広場からほど近い一角。かつて自動車整備工場だった無骨な空間に、Freni e Frizioniは誕生した。20年が経った今、この場所は単なる人気バーではない。人がいて、空気があり、クリエイションがある。

ここで何が一番楽しいかといえば、それは彼らが生み出す活気ある空気だ。

バーテンダーやスタッフは皆、それぞれに強いキャラクターを持ち、誰一人として無個性な人はいない。

その個性が、ストリートアートと融合したインテリアと完璧に噛み合っている。無骨で、少し荒さもあり、しかし洗練されている。Freni e Frizioniというバーのキャラクターが、空間全体で表現されているようだ。

20周年という節目は、このバーが完成したことを示すものではない。むしろ、今もなお進化し続けていることを証明しているようだ。

アペリティーヴォが流行になる前から見えていた未来

Freni e Frizioniといえば、ローマでも指折りのアペリティーボ・ビュッフェの名店として知られている。このビュッフェは今も健在で、長年変わらず、この店の象徴であり続けている。

アペリティーヴォが、まだ首都ローマで一般的ではなかった時代、Freni e Frizioniの創業者たちは、その可能性をいち早く見抜いていた。

何を隠そう、20年前、トリノや北イタリアで親しまれていたアペリティーヴォという概念を、初めてローマに持ち込んだのが、このFreni e Frizioniなのだ。

そして最近、そこに新しい楽しみ方が加わった。それが、ブッフェとは別にオーダーできる軽食メニューである。

気軽につまめるにもかかわらず、どれも驚くほど完成度が高い。いわゆる「バーのスナック(軽食)」という枠を軽々と超え、カクテルを主役にしながら、体験全体の満足度を確実に引き上げてくれる存在だ。

構成はシンプルだが、狙いは極めて明確。しっかりとした味があり、手で食べやすく、そして何よりドリンクと合わせることで完成する。

Punk Dog は、
フランクフルトソーセージにチェダーチーズ、ケチャップとクリスピーオニオンを合わせ、バゲットで挟んだホットドッグ。名前の通りパンクでストリート感のある一品だが、味のバランスは計算されており、ハイボール系カクテルと好相性だ。

Falafel Dip は、
自家製ファラフェルにホームメイドのフムス、ピタブレッド、ピクルス。肉を使わない構成ながら、スパイスと豆のコクで満足感は十分。ハーブ感のあるカクテルやジンベースと合わせたい。

Meatballs Sandwich は、
牛肉のミートボールにトマトソース、バジルとグラナ・パダーノを合わせ、チャバッタでサンド。
イタリアらしさをしっかり感じさせ、アメリカーノなどのアペリティーボカクテルと合わせるのも良い。

Cuban Sandwich は、
香ばしく焼かれたバタートーストに、モホソースで仕上げたジューシーなプルドポーク、マスタード、とろけるプロヴォラチーズ、そしてピクルス。ボリュームがあり、しっかり“食事寄り”の一品だ。
パローマなどのシトラス系カクテルや、シグネチャーの Crossing Over と合わせても間違いない。

このほか、Chips / Olives / Taralli といった軽くつまめる定番スナックも用意されている。

フレンドリーでカジュアル、それでいて世界最高レベルのドリンク

このバーの最大の魅力は、誰にでも開かれているカジュアルさと世界トップクラスのドリンククオリティが、同時に成立している点だ。

店に入った瞬間、空気はとてもフレンドリー。スタッフは活気に満ち、笑顔と声が飛び交い、場は常に動いている。しかし、カウンターの内側で行われている仕事は極めて精密だ。

ドリンクはスピーディーに提供されるが、決して雑ではない。 動きに無駄がなく、クリエイションは徹底されている。

ボトルの扱い、ステアやシェイクの所作、味の組み立て。その合間にも続くフレンドリーな会話。
この一連の流れは、もはやエンターテイメントと呼んでいい。

シグネチャーカクテル

Crossing Over

Martini Riserva Bitter / Martini Rosso / Osmanthus Cordial / Pink Grapefruit / CO₂
低アルコールながら香りは豊か。金木犀のニュアンスとグレープフルーツの苦味が心地よい。

Raw Sex

Savoia Americano / Plymouth / Cointreau / Raspberry & Pomegranate Shrub / Lemon / Ferrari Maximum
フルーティーでありながら、スパークリングによる軽快さと酸味のキレが印象的。
アペリティーボとして完成度が高く、軽やかに飲み始めたい人におすすめ。

Negroni Mediterraneo

Gin Mare / Amaro Santoni / Marsala Florio / Semi Secco / Bell Pepper / Thyme
地中海的なハーブと野菜のニュアンス。ネグローニの骨格を保ちながら、より丸く、食中酒的な方向へ。

Mexican Manhattan

Jack Daniel’s Blonded / Mole & Banana / Martini Riserva Ambrato / Bitter Chocolate
テキーラを使わずに、モレとビターチョコレートでメキシコを語るマンハッタン。

Simply Green

Patron Silver / Italicus / Chardonnay / Pickles / Tarragon / Fennel
ハーブとグリーンノートが印象的。爽やかだが軽すぎず、食事との相性も良い一杯。

The Butcher

Jameson Black Barrel / Amaretto / Raspberry Soda
飲みやすく親しみやすい。ハイボール感覚で楽しめるが、香りと余韻はしっかり。

Shibuya

Johnnie Walker Black / Ginger / Miso / Peach / Wasabi / Soy
和の要素を大胆に取り入れたカクテル。旨味、スパイス、甘みが複雑に重なり合う。

人と、彼らが生み出す空気、そして最高品質のカクテル。

この絶妙なバランスを成立させているバーは、ローマでも、いや他の都市でも、簡単には見つからないだろう。

Freni e Frizioni
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