11月7–10日 シャーベス・フェスティバル

2025年11月7日〜10日、イタリア・シチリア島の首都パレルモで、ジェラート界最大級のイベント「シャーベス・フェスティバル(Sherbeth Festival)」が開かれます。
会場となるのは、パレルモの象徴ともいえるヴェルディ広場。ここに約400㎡の特設ラボが設けられ、世界中から集まった約50人のジェラート職人が、現地でジェラートを仕込みます。できたてを味わえるのは、このフェスならではの贅沢です。ひとつの広場で世界の50人のジェラテエーレの味を食べ比べできるという、まさに夢のような4日間となるでしょう。
Sherbeth テイスティングチケットの購入はこちら: https://sherbeth.it/ticket/
ジェラートのテイスティングは、広場だけでなく各トークセッションなどあらゆる箇所で予定されています。
教育プログラムも充実しており、マスタークラスや料理のデモンストレーション、ワークショップ、今年初登場となる「ジェラートとサステナビリティ」をテーマにしたトークセッションなど、興味深いテーマが多数予定されています。

フェスティバルの歴史と進化
今回で第17回を迎える「シャーベス・フェスティバル」は、2007年にパレルモで誕生しました。
「職人ジェラートを世界に広めたい」という想いから始まったローカルイベントが、いまではジェラート職人、クリエイター、研究者、そして愛好家を含め、世界中から約5万人が訪れる祭典へと進化しています。
ここで発表された新しい技術やトレンドはヨーロッパ各地のジェラテリアへと広がり、“職人ジェラートの世界基準” として文化・技術・ビジョンの共有を生み出しています。
街全体がフェスの一部に
会場だけでなく街の至る所でもイベントが開催されます。
パレルモの人気バー「Sartoria」や「Officina」、ミシュラン星付きレストランMAC(Carmelo Trentacostaシェフ)、そして海沿いの「Molo Sant’Erasmo」といったスポットがフェスとコラボレーション。
夜には「Sherbeth Off-icacy(シャーベス・オフィカシー)」も開催。カクテルや料理にジェラートを“組み込む”という大胆なアプローチで、これまでにない味の世界が楽しめそうです。
今年の注目ポイント
ダブル審査制
今年は初めて、技術審査「プロコピオ・デイ・コルテッリ賞」と批評審査「批評家賞」の2つの視点からの審査が行われます。職人の技術を評価する専門家と、文化・言語・感性の観点から審査する批評家が、それぞれの立場で評価。審査は匿名で行われ、原材料リストも非公開。フェアで透明性のある評価を実現しています。
機能性ジェラート
ジェラートを“スイーツ”ではなく、体にやさしい食品として再定義する取り組みも進行中。今年は史上初めて、原材料の詳細表示+GI(血糖指数)が公開されます。糖質や脂肪のバランス調整、GI値の管理など、科学的アプローチから新しいおいしさを探る試みです。
国際化する審査陣
今年の審査には、ニュージーランドやスペインの研究者、そしてイタリア国立研究評議会(CNR)の専門家など、学術的バックグラウンドを持つメンバーも加わります。

マスタークラスとトーク
マスタークラスやトークセッションも気になる内容が揃っています。
・アルナルド・コンフォルトによる、糖や脂肪のバランス、不耐症やアレルギーへの配慮、健康意識の変化についてを考える現代的なレシピバランス(配合設計)についての講義。
・素材の香りと味を最大限に引き出す「真空テクノロジー」、科学と感性を融合させた最新技術の紹介。
・ヨーロッパ各地で氷を貯蔵していた“氷室(ひむろ)”文化を、人類の「冷やす技術」として再評価する特別トーク。
・「ランキングは本当に公平なのか?」「批評は市場をどう動かすのか?」といったテーマで行われる、業界関係者とメディアのディスカッション
などなど。
トークイベントはすべて無料ですが予約制ですので、気になる講義は早めに席を確保しておきましょう。
シャーベス フェスティバル 公式サイト sherbeth.it/talk-degustazioni から予約できます。
職人技を支えるテクノロジーとスポンサー
毎年、多くの企業やブランドがシャーベス・フェスティバルを支援しています。
Bravo SpA(ブラーヴォ社)の主力マシン「Trittico®(トリッティコ)」は、加熱から冷却までを1台で制御できる画期的な調理機です。最新モデルに搭載されたBlow真空調理技術は、素材の香りや水分を守りながら風味を極限まで引き出します。今年、世界中から集まる50人のジェラート職人たは、このTrittico®を使って、それぞれの個性を表現します。

記者会見で発表された、注目のローマ勢フレーバー
フェス開幕を前にローマで行われた記者会見では、今年の参加職人たちによる個性豊かなフレーバーが発表されました。
ロレンツァ・ベルニーニ - Lolla Gelato
トゥッシア産エクストラバージンオリーブオイル
オリーブの青々しい香りとミルクのまろやかさが溶け合う大人の味わい。
アルベルト・ゼッツァ - ZELATO Roma
プラム × ウルシ × カルダモン
深い酸味とスパイスの余韻。調香師のような香りの設計。
ヴァレリオ・グラヴァリア - Gelasio
羊のリコッタ × イチジクのストラッチャータ × アーモンドクランブル
コクのある味わいが赤ワインとも高相性。
アンドレア・ソルジーニ - Gelateria Ilfenicottero
オーガニックヨーグルト × 野花の蜂蜜 × クルミ
やさしい甘さとナッツの香ばしさが絶妙で素材のピュアさが光ります。
シモーナ・パパーニョ - Criollo
ミケレモスカゼレツィオーネ社のトリュフのアマーロを効かせた「ヘーゼルナッツクリーム」
トリュフの香りとナッツの甘みのバランスが秀逸。
今年の全職人リストはこちらからご覧ください。

シャーベス フェスティバル